絶対風邪など引かないだろうナンバー1の男が風邪で寝込んで一日が経った。 ・・・訂正だ。この冥界には風邪を引きそうな輩など誰一人いそうにない。こいつの部下あたりは貧弱そうだがな。 しかし、いくら我が儘で強引で何を考えているかさっぱり分からないこの男も、実は繊細な体つきなのだ。・・・言い過ぎか? そんな困ったやつの部屋へ、オレは足を踏み入れた。 バン! 「おい、ミーノス、まだ生きているか!」 廊下の従兵共が天下の三巨頭の一人に滅多な口を利く男に身震いしながらざわめいた。そんなことなど耳にも入れず、天雄星の男はズカズカと部屋へ入り込んできた。 「・・・相変わらず騒々しい男ですね、アイアコス。」 「なんだ、眠っていたのではなかったのか。」 アイアコスはひょい、とベッドを覗き込んだ。開けっ放しにされていた扉は従兵によって静かに閉じられていた。この男の辞書に、扉を閉める、という文字言葉はないらしい。 「あなたの賑やかな登場に目が覚めたところです。それに今の質問は少し食い違いがありますよ。」 「あん?何を訳の分からんことを言っている。」 ミーノスは目を瞑ったまま心の中で笑った。相変わらず面白い男だと思う。 「ん?何か・・・香りますね。」 そう言ってミーノスは目を開けた。 「ああ、・・・見舞いのリンゴだ。」 「あなたが?私に?」 「・・・持っていけと渡されたんだ。」 「ほぅ・・・それは。」 アイアコスは持っていた紙袋をドン、という震動と共にテーブルへ置いた。その音と紙袋の大きさが、リンゴの数を示している。とても一人で食べきれる数ではないだろう。 ガサガサ・・・ シャリ――! もぐもぐ・・・ 「あー・・・アイアコス。」 「む?なんだ?シャリシャリ・・・。」 ミーノスは半ば呆れたように口元を歪めながら言った。 「一つ聞きたいのですが、あなたは今、あなた自身が口にしている“それ”は“見舞いのためのもの”だと、私は先ほど聞いた気がするのですが・・・空耳でしたか?」 アイアコスは二口目をかぶりつこうと口を開けたままピタリと止まり、ミーノスに目を向けた。
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文=史々丸 挿絵=星野うり でお届けいたしました | COMMENT | COMMENT |
ミノたん、お誕生日おめでとう! あのミーノスがため息をついている!(笑)でもアイコちゃんが大好きだから、頑張っているのだ! “その後”は、ベッドの中です(笑)一応アイコちゃんが支えてあげてます。ふふ。 いつでもどこでも2人は一緒v(半強制だがな・・・ byアイコ) ミノたん、いつまでもお幸せに! |
史々丸さんに小説を描いてもらって私がカットつければ、ミノ誕に出品できるし、新作も読めるし一石二鳥と思い企画!! 半分冗談だったのですが…できてしまいました♪ ミノ誕と言いながら…アイアコスの方が出張っていますが…きっとミノもかわいいアイコが見れて満足なことだろう。 私も新作が読めてよかったです( ̄ー ̄) カットでちょっと違う所は無視無視…。 では、ミーノスに乾杯♪ |